作物の歴史
作物のことを書いたある本によれば、現在、日本で作られている作物の種類は、約五百種くらいで、
それを時代別にわけると、四つのグループになるそうです。
一、 農業の起りとともに古いもの。
二、 十世紀のころの記録に名前が出てくるもの。
三、 戦国時代から江戸時代の間に、外国から入ってきたもの。
四、 明治からあとに輸入されたもの。
第一のグループは、初期の農業をしめす、遺跡から見つかっているものや、また日本で一番、古い本
(古事記)や、万葉集などに名まえが出ているものです。
それは、イネ、オオムギ、コムギ、アワ、ヒエ、キビ、アズキ、ダイズ、ソバ、サトイモ、ウリ、
ダイコンなどで、イネをはじめ、こく物が大部分です。
十世紀(一、000年)ころになると、新しい作物の名が出てきます。
ネギ、カラシナ、ゴボウ、カブ、ナス、トウガラシ、キゥリ、エンドウ、ゴマ、などで野菜が多く
なっています。
戦国時代から、安土桃山時代にかけて、ヨーロッパから、いくつかの重要な作物が、入ってきました。
キャベツ、ホウレンソウ、スイカ、ヘチマ、ソラマメ、ニンジン、サトウキビなどです。
また、アメリカの原産で、アメリカ大陸が発見された後で、ヨーロッパに渡り、それからまた日本に
きたというものに、トマト、カボチャ、インゲンマメ、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシ、
タバコなどがあります。そして明治以後にはいった作物に、エンバク、ライムギ、タマネギ、ハクサイ
などがありますが、ハクサイがこんなに新しいとは、意外に思われる人も多いと思います。